特定技能「介護」とは、外国人人材が日本の介護施設で働くために作られた在留資格制度であり、特定技能外国人を雇い入れ、日本人だけでは不足がちな介護施設での人員を補うためにあります。
また、特定技能外国人は、人材不足が顕著な分野へ一定数の労働力を外国から来てもらう制度ですので、求人する側も求職者(外国人)にも一定の条件やルールがあります。
今回は、特定技能「介護」にしぼって、介護施設の方々でこれから検討をしていきたいと思っている人向けの内容を記載します。
介護施設で働ける外国人は?
外国人が日本で仕事をする際、日本人同様に自由に職業選択が可能な者もいますが、特定の分野のみ、あるいは決められた時間のみ働けるなど、それぞれの在留資格によって異なります。
介護分野についても決められており、専用の在留資格も存在します。
- 永住者・定住者:日本人と同様に自由に就労が可能で、介護施設様へも日本人と同じように応募します。日本語レベルは本人次第です。日本人と同じ教育を受け日本語ネイティブな者も居れば、日本で生まれ育った定住者でも日本語がほとんど話せない者もいます。
- 留学・家族滞在など:永住者・定住者なみに仕事の選択の自由度はありますが、就労時間は週28時間までと制限があります。介護施設へはアルバイト・パート職員として働くことになります。日本語レベルは来日間もないと高くありません。また学生は地方ではあまり居ません。
- 在留資格「介護」:日本の介護福祉士の資格を持つ者です。留学生・特定技能あるはEPA介護福祉士候補などから、試験に合格し在留資格を変更した者です。更新が何度でも可能ですし、日本人の介護福祉士同様に業務に従事します。資格取得するだけの日本語と介護の知識さらに実務経験があり、日本語レベル・業務レベル共に高い者が多いです。
- 特定技能:今回ご紹介する在留資格が特定技能です。介護分野(訪問介護除く。ただし変更予定あり)で、人手不足解消の手段として作られた最も新しい制度です。1号特定技能として最大5年間日本国内で介護分野にて就労が可能です。事前に、日本語と介護の基礎知識を問う試験に合格する必要があります。
- 技能実習:廃止も検討されている、海外へ日本の”素晴らしい”技術を移転させるための国際貢献事業の一環として存在する実習制度です。最大5年滞在が可能で特定技能へ移行も可能です。
- EPA介護福祉士候補者:EPA(経済連携協定)とは外交・貿易関連用語です。特定の国(ベトナム・インドネシア・フィリピン)との協定を元に、介護福祉士候補を日本に受け入れる仕組みで、入国前と後に研修などが用意されています。
海外から呼び寄せる意味では、特定技能・技能実習とEPA介護福祉士候補があります。EPA介護福祉士候補は条件が厳しく応募者も減少傾向にあると言われています。国外から転職制限や低い賃金で奴隷制度と揶揄される技能実習は廃止が見込まれていますが、名前を変えるだけになりそうな雰囲気もありますが、どのようになるかは不明です。
現在、計画的に確実に人材を得たい場合は、特定技能外国人がおすすめとなります。応募希望者の負担も少なく、在留資格についても必要な試験に合格してくること明瞭です。日々の業務に対する制約もほとんどありません。
介護・特定技能外国人とは?
在留資格「特定技能」は、深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れる制度として、平成31年4月1日に施行されました。
介護分野における特定技能外国人の受入れについて | 厚生労働省|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
現在、特定技能外国人は、介護を含む12分野の産業にて受け入れが行われており、総数173,089人おり、その内介護分野に21,915人(令和5年6月末)が日本国内で働き生活しています。
国籍別では、東安アジア・南アジア出身者が多いです。以前はベトナムが圧倒的に多かったのですが、自国の発展等もあり、そのほかの国々も増えています。当社では、ネパール人とミャンマー人をご紹介しております。
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採用するには?
特定技能外国人を採用には、当社等の国内で許可を得た人材紹介会社を使います。人材紹介会社は、海外の送出機関や日本語学校と提携・契約し、必要な試験等を合格した条件に見合った人材を選別し、受け入れ予定企業へ紹介します。
受け入れ企業が特定技能外国人を採用できるかは条件があり、またどのような業務に従事させたいかなどによって、採用が難しいこともあるので、受け入れ基準をまず確認です。
受け入れ機関の基準
介護施設などの受け入れ機関が外国人を雇用するための基準として、次の事が決められています。前半4つは、特定技能外国人を受け入れるための全般ルールで、次の3つは介護分野で決められた基準です。
- 外国人と結ぶ雇用契約が適切(例:報酬額が日本人と同等以上)
- 機関自体が適切(例:5年以内に出入国・労働法令違反がない)
- 外国人を支援する体制あり(例:外国人が理解できる言語で支援できる)
- 外国人を支援する計画が適切(例:生活オリエンテーション等を含む)
- 受け入れ可能な1号特定技能外国人は、事業所単位で、日本人等の常勤介護職員の総数を上限とする
- 厚生労働省が組織する「介護分野における特定技能協議会」の構成員になり、必要な協力を行う
- 厚生労働省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行う
介護分野では、外国人最大数が決まっているのが特徴です。日本人等と”等”とついているのは、定住者・永住者や在留資格「介護」の者はこちら(日本人等)に含むためです。
また、3番目・4番目は特定技能特有の決まりで、雇用した外国人を支援する体制を作る必要があります。そのため、当社含む人材紹介会社は、登録支援機関(出入国在留管理庁へ登録)として、所属機関(貴社)に代わり、主に私生活面において特定技能外国人が問題なく生活できるように、自立した形の支援を行います(後ほど詳細記述)。
*なお、特定技能外国人等を長年多数採用している企業では、自社で支援体制を構築するところもあります。
特定技能外国人が従事できる・する業務
身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)のほか、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)とし、訪問介護等の訪問系サービスにおける業務は対象としない。
特定技能外国人は行える業務が決まっています。特に注意したいのが、訪問介護は現在は不可となっています(変更予定あり)。高齢者介護だけでなく放課後等デイサービスなど障害者支援業務でも働くことができます。詳しくはお問合せください。
また、アルバイトや副業は禁止です。転職せずに(掛け持ちで)他企業で働くことはできません。同一企業内の他施設で業務する場合は、入管への申請時書類提出が必要です。
なお、残業や夜勤業務は日本人同様に行う事が可能です(夜勤もすぐに開始可能です)。本人の希望にもよりますが、多くの特定技能外国人は、限りある時間(在留期限)で少しでも多く稼ぎたい(仕送りしたい・貯金したい)と思っており、残業(休日出勤等含む)も率先して行う者が多いです。逆に残業が全くない施設は応募が少ないこともあります。募集・面接時にしっかり確認が必要です。
特定技能外国人の基準
出入国在留管理庁発行の「特定技能外国人受入れに関する運用要領(930004944.pdf (moj.go.jp))」にて次の事が決められています。
- 年齢に関するもの
- 健康状態に関するもの
- 技能水準に関するもの
- 日本語能力に関するもの
- 退去強制令書の円滑な執行への協力に関するもの
- 通算在留期間に関するもの
- 保証金の徴収・違約金契約等に関するもの
- 費用負担の合意に関するもの
- 本国において遵守すべき手続に関するもの
- 分野に特有の事情に鑑みて定められた基準に関するもの
18歳以上の健康状態が良好な外国人籍の者で、在留資格申請・変更が可能な人間が対象です。また学歴・国籍(イラン除く)・現在の居住地・性別などは不問です。
日本在住の者、例えば留学生なども特定技能へ変更可能ですが、1号特定技能は通算5年間となっており分野を問いません。そのため転職し他の分野で働いた場合(例:外食→介護など)も、トータル5年以降は1号特定技能の延長はできません。
1号特定技能の5年の間に、介護福祉士に合格し在留資格「介護」に変更すれば、その後は在留年数の制限はなくなります。
続いて、特定技能外国人として在留資格認定申請を出すには次の試験にすべて合格している必要があります。(又は介護分野の第2号技能実習を修了した者とする)
- 介護技能評価試験
- 介護日本語評価試験
- 国際交流基金日本語基礎テスト、又は日本語能力試験(N4以上)
介護の基礎知識を確認する試験、介護で必要となる日本語の試験および、一般的な日本語レベルを確認する試験の3つに合格が必要です。日本語のN4相当レベルとは「基本的な日本語が理解できる」レベルと言われています。
海外で勉強している者を採用する場合、面接時の日本語レベルと、実際働き始めて数か月した後では、日本語レベルが大きく変わる事が多いです。理由として・・・
- 面接時から入国までには時間があり、勉強し更に上達する
- 海外では日本人と話していないが、入国後利用者や同僚との会話で劇的に上達する
- 日々日本語を使い、お互いに癖などに慣れてくる
当人たち(外国人および同僚)は毎日会い話すので、上達したか分かり難いですが、当社は普段は彼らの言葉(ネパール語やミャンマー語)で話すことが多く、定期面談で出会うといつも驚かされます。
特定技能「介護」外国人材を受け入れるメリット・デメリット
特定技能外国人は様々な決まり事もあり、メリット・デメリットがあります。よく理解し専門の会社にまず相談をするのがおすすめです。
特定技能「介護」外国人材の受け入れメリット
- 人材サービス専門会社が使える
費用がかかりますが、プロの外国人人材紹介会社が、採用から採用後のサポートも一貫し行ってくれます。 - 計画をもって採用できる
人材が豊富で、しっかりと面接等で人選し、予定日を決めて採用できます。申請等で時間がかかりますが、余裕をもって計画すると、予定通りに人材が確保されます。 - 即戦力になる人材を採用できる
日本語・介護基礎知識を勉強して来るので、新規の個別研修等せずに、すぐに配置しOJTを通して業務を学ぶことも可能です。 - やる気ある人材が採用できる
目的が明確でやる気をもって仕事に取り組んでくれます。残業や夜勤も率先してやりたがる人材も多いので、シフトが組みやすくなったとの声も聞きます。
特定技能「介護」外国人材の受け入れデメリット
- コストがかかる
採用時の紹介料や渡航費、支援に係る月額費用が発生します。また日本人と同等以上の報酬の支払いが義務付けられています。 - 手続きが雑多
出入国在留管理庁への採用時の申請、および定期的な届出や申請が必要です。しっかりした登録支援機関なら入管への取次も可能です。 - 在留の期限がある
特定技能だけでは最長5年の勤務となります。介護福祉士に受かる必要あるので、日本語レベルややるきをしっかり面接で確認が必要です。
特定技能外国人の制度の目的のとおり、人材の確保が最優先とされています。そのためにも当社(国内の人材紹介会社)と現地の送り出し機関が連携し、しっかりと計画通りに教育された人材を紹介できるようにし、入社後も業務に注力できる環境整備の支援をしており、そのための費用は発生します。
特定技能外国人への支援とは?
1号特定技能外国人を継続して採用するには「支援」が義務つけられており、義務的支援として10項目が定められています。
- 事前ガイダンスの提供
- 出入国する際の送迎
- 適切な住居の確保に係る支援
- 生活に必要な契約に係る支援(届出・契約の同行含む)
- 生活オリエンテーションの実施
- 日本語学習の機会の提供
- 相談又は苦情への対応
- 日本人との交流促進に係る支援
- 外国人が責めに帰すべき事由によらないで特定技能雇用契約を解除される場合の転職支援
- 定期的な面談の実施、行政機関への通報
1~5は、内定後から入社前(または早い段階)に実施する内容となっており、入社し仕事をスムーズに始められるように出来ることが大切です。
また、1.5.7.10は、外国人が分かる言語での実施が必要なため、登録支援機関では通常紹介する人材と同じ言葉(例えば、当社ではネパール語・ミャンマー語または英語)を話せる人を採用し対応しています。これらの費用は、所属機関と登録支援機関との支援委託契約として行われ、月額費用が発生します。
詳しい内容は、出入国在留管理庁発行の「1号特定技能外国人支援に関する運用要領(930004553.pdf (moj.go.jp))」に記載されています。
当社では、上記の義務的支援だけでなく、任意的支援(一般的にサービス)も行っており、外国人が自立し仕事に支障なく働けるように行っています。
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